2006年 08月 18日
土からの恩恵 |
パソコンのファイルを整理していたら2年前に書いた「市民農園記」が見つかった。ゴミにするにはちょっともったいない気がして、幸い本ブログに「農園」記事を載せていた。そのトラックバックとして「土からの恩恵」と題してアップした。
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芳しい香りが立つコーヒーの傍に見慣れない料理がある。「これは?」と声をかけると「何でしょう」と妻の返事。ナイフで切って口に放り込むと「うまい!」。「ズッキーニのステーキよ。美味しいでしょう?」。なるほどズッキーニだ。オイルで焼いたステーキ大のズッキーニに手製のディップが載せてある。見るからにステーキ然としている。ステーキ大のズッキーニなど市販されていない。もちろん我が市民農園からの収穫である。自からの収穫野菜は殊更味わい深く食卓を賑わしてくれる。
無芸無趣味なわが身、夫婦で共通の作業に取組むことなど現役時代は言うに及ばず退職後のゆとりある時間の中でも容易には見つからない。妻は手芸サークル、亭主はボランティア外出ばかりでは・・・・・。“亭主元気で外が良い”と人前や口では言うものの、やはり一緒にいる時間が多い退職後の日々、一緒に取組む作業もほしい。
そんなある日、地区広報誌に市民農園募集の記事が目にとまった。幸い我が家は夫婦とも田舎育ちの山猿である。親の農作業を見て、また手伝わされて育った。「取りあえずやってみっか」と応募して一区画50㎡の畑を借りた。
いざ菜園作りとなると、親の作業を見て育ったとは言え、何から手をつければ良いのやらと・・・・。そこは市民農園、土作りの時期には農協の職員がトラック一杯の肥料を積んできて必要な物を教えてくれる。堆肥、有機石灰、鶏糞などを撒いて第一歩だ。年毎の借用契約なので多年草は植えられない。ジャガイモ、トマト、人参、ほうれん草、ラディッシュ、大根などなど、見様見真似で土いじりに取組んでいる。
周囲を見ると同年輩の方々ばかり、話を聞けば動機も一緒。「北海道は気温が低いからマルチシートをかけると土が保温されて根物には良いそうですよ」などと素人同士の俄か仕入れの知識を交換する。そしてお互い植えていない収穫物の交換など思わぬ会話の場となったりする。また、収穫物を職場やサークル仲間に配ったり苗を戴いたりと畑作業で交流の輪は広がる。知人のいない土地でも作物同様、地に根を張ることができる。
頻繁な雑草取りや芽かき、害虫取り(農薬は使わず手作業だ)と、作業はふんだんにある。そんな畑作業の風景や生育状況、収穫物の写真を「札幌からの元気報告」と題した家族だけが見ることのできるホームページに月例掲載している。それを見た親からは「よく出来ているよ。追肥が足りないのでは?」などとアドバイスのメールが届くことも度々だ。こちらから相談すると意を得たとばかりに嬉しそうに色々を教えてくれる。その声を聞けば親孝行になっているかな?と身勝手な満足感にも浸っている。
収穫を楽しみに何を植えるか話し合ったり苗選びをしたり、当然の如く共通の時間が増えてくる。それが原因(もと)で愚痴も出るが端(はな)から織り込みずみである。借用料、肥料代、苗代金など費用は嵩む。野菜を八百屋で求めた方がはるかに安いに決まっているが、それやこれやを差し引いても余りある豊かさを与えてくれている。土の臭いは良いものだ。
市民農園について
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芳しい香りが立つコーヒーの傍に見慣れない料理がある。「これは?」と声をかけると「何でしょう」と妻の返事。ナイフで切って口に放り込むと「うまい!」。「ズッキーニのステーキよ。美味しいでしょう?」。なるほどズッキーニだ。オイルで焼いたステーキ大のズッキーニに手製のディップが載せてある。見るからにステーキ然としている。ステーキ大のズッキーニなど市販されていない。もちろん我が市民農園からの収穫である。自からの収穫野菜は殊更味わい深く食卓を賑わしてくれる。
無芸無趣味なわが身、夫婦で共通の作業に取組むことなど現役時代は言うに及ばず退職後のゆとりある時間の中でも容易には見つからない。妻は手芸サークル、亭主はボランティア外出ばかりでは・・・・・。“亭主元気で外が良い”と人前や口では言うものの、やはり一緒にいる時間が多い退職後の日々、一緒に取組む作業もほしい。
そんなある日、地区広報誌に市民農園募集の記事が目にとまった。幸い我が家は夫婦とも田舎育ちの山猿である。親の農作業を見て、また手伝わされて育った。「取りあえずやってみっか」と応募して一区画50㎡の畑を借りた。
いざ菜園作りとなると、親の作業を見て育ったとは言え、何から手をつければ良いのやらと・・・・。そこは市民農園、土作りの時期には農協の職員がトラック一杯の肥料を積んできて必要な物を教えてくれる。堆肥、有機石灰、鶏糞などを撒いて第一歩だ。年毎の借用契約なので多年草は植えられない。ジャガイモ、トマト、人参、ほうれん草、ラディッシュ、大根などなど、見様見真似で土いじりに取組んでいる。
周囲を見ると同年輩の方々ばかり、話を聞けば動機も一緒。「北海道は気温が低いからマルチシートをかけると土が保温されて根物には良いそうですよ」などと素人同士の俄か仕入れの知識を交換する。そしてお互い植えていない収穫物の交換など思わぬ会話の場となったりする。また、収穫物を職場やサークル仲間に配ったり苗を戴いたりと畑作業で交流の輪は広がる。知人のいない土地でも作物同様、地に根を張ることができる。
頻繁な雑草取りや芽かき、害虫取り(農薬は使わず手作業だ)と、作業はふんだんにある。そんな畑作業の風景や生育状況、収穫物の写真を「札幌からの元気報告」と題した家族だけが見ることのできるホームページに月例掲載している。それを見た親からは「よく出来ているよ。追肥が足りないのでは?」などとアドバイスのメールが届くことも度々だ。こちらから相談すると意を得たとばかりに嬉しそうに色々を教えてくれる。その声を聞けば親孝行になっているかな?と身勝手な満足感にも浸っている。
収穫を楽しみに何を植えるか話し合ったり苗選びをしたり、当然の如く共通の時間が増えてくる。それが原因(もと)で愚痴も出るが端(はな)から織り込みずみである。借用料、肥料代、苗代金など費用は嵩む。野菜を八百屋で求めた方がはるかに安いに決まっているが、それやこれやを差し引いても余りある豊かさを与えてくれている。土の臭いは良いものだ。
市民農園について
by setty1221
| 2006-08-18 10:53
| 農園
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Comments(2)
Commented
by
skimama
at 2006-08-18 11:43
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ズッキーニのステーキ!お羨ましい!ディップも奥様のお手作り、
笑顔が浮かびます。
菜園の作業も夫唱婦随、益々いいですね~。
<余りある豊かさ>一番幸せな心のあり方ですね。
我が家もそろそろ考えないと・・・という気にさせられました。
笑顔が浮かびます。
菜園の作業も夫唱婦随、益々いいですね~。
<余りある豊かさ>一番幸せな心のあり方ですね。
我が家もそろそろ考えないと・・・という気にさせられました。
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Commented
by
北野大地
at 2006-08-18 21:16
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skimama さん カキコ感謝
ズッキーニは味がやさしく何にでもなじみますね。毎朝食のコーヒーのお供にオリーブで焼きチーズを振りかけたズッキーニです。
畑作業でもけっこうぶっつかりますよ。ハッハッハ!
ズッキーニは味がやさしく何にでもなじみますね。毎朝食のコーヒーのお供にオリーブで焼きチーズを振りかけたズッキーニです。
畑作業でもけっこうぶっつかりますよ。ハッハッハ!