2015年 02月 25日
『廉恥』(今野敏) |
最近部屋へ閉じこもりがちな大学生の娘を心配する妻と会話する「樋口顕」。彼は警視庁強行犯第3係の係長である。そこへキャバクラ嬢の絞殺死体発見の連絡が入る。
そんな出だしで始まる今野敏の『廉恥』(恥を知る心が強いこと)。好きな作家の1人であり、新作が出るのをいつも心待ちにしている。昨日読み終わったが、くしくも今夜TVドラマで放送される。
被害者は所轄の警察署へストーカー被害を出していた。捜査本部はストーカー殺人事件としてマスコミや世間から叩かれることを心配しながら早期解決に向けて突き進む。そして、捜査本部に警察庁から刑事指導官として美人キャリア警察官「小泉蘭子」(警視か警部)がアドバイザーに加わり、その担当も樋口に指示される。
捜査の中心となる“ヒグッちゃん”こと樋口顕は警察官には珍しい周囲に敵を作らない、他人を疑がうことが嫌いな人間で清廉潔白を信条としている。人を疑う事ができないのに被疑者を取り調べ自白させなければならない難しさを読み進むにつれて読者は引き込まれていく。
そんな樋口のもとへ前述の娘のパソコンから脅迫メールが発信されており、パソコンの提出を求められる事を他部署の同僚から知らされる。遠隔操作ウイルスに感染しているのだろうとコメントを付け加えながら。
娘にどう対応するべきか。清廉潔白を信条とする樋口の父親と警察官の間で葛藤がはじまるが・・・・・・。
今野敏作品には珍しく、警察内部で対立する警察官や管理官が登場しない。また、新聞記者などのメディア人の登場も少ない。しかし、読者をぐいぐい引き込んでいく作品であった。
樋口顕係長は『隠蔽捜査』の竜崎信也とまた違う清廉さを醸している。係長と言う中間管理職の所為であろうか。
事ある毎に、結果論で政府や警察、行政を批判する我々住民・メディアの在り方を反省させられる描写にも接し、物事を冷静に判断せよと警鐘しているようにも感じた。
そんな出だしで始まる今野敏の『廉恥』(恥を知る心が強いこと)。好きな作家の1人であり、新作が出るのをいつも心待ちにしている。昨日読み終わったが、くしくも今夜TVドラマで放送される。
被害者は所轄の警察署へストーカー被害を出していた。捜査本部はストーカー殺人事件としてマスコミや世間から叩かれることを心配しながら早期解決に向けて突き進む。そして、捜査本部に警察庁から刑事指導官として美人キャリア警察官「小泉蘭子」(警視か警部)がアドバイザーに加わり、その担当も樋口に指示される。
捜査の中心となる“ヒグッちゃん”こと樋口顕は警察官には珍しい周囲に敵を作らない、他人を疑がうことが嫌いな人間で清廉潔白を信条としている。人を疑う事ができないのに被疑者を取り調べ自白させなければならない難しさを読み進むにつれて読者は引き込まれていく。
そんな樋口のもとへ前述の娘のパソコンから脅迫メールが発信されており、パソコンの提出を求められる事を他部署の同僚から知らされる。遠隔操作ウイルスに感染しているのだろうとコメントを付け加えながら。
娘にどう対応するべきか。清廉潔白を信条とする樋口の父親と警察官の間で葛藤がはじまるが・・・・・・。
今野敏作品には珍しく、警察内部で対立する警察官や管理官が登場しない。また、新聞記者などのメディア人の登場も少ない。しかし、読者をぐいぐい引き込んでいく作品であった。
樋口顕係長は『隠蔽捜査』の竜崎信也とまた違う清廉さを醸している。係長と言う中間管理職の所為であろうか。
事ある毎に、結果論で政府や警察、行政を批判する我々住民・メディアの在り方を反省させられる描写にも接し、物事を冷静に判断せよと警鐘しているようにも感じた。
by setty1221
| 2015-02-25 11:41
| 最近読んだ本
|
Comments(0)